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歯周病の外科治療が必要となるケースとは?治療方法や治療費用も紹介

コラム  / 歯を抜かない歯周病治療

こんにちは。仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」です。

歯周病のイメージ

歯周病が進行すると、歯や歯茎に深刻な影響を及ぼし、外科治療が必要になることがあります。歯周病が進行しているかもしれないと感じている方は、これからの治療内容や治療にかかる費用などに対して不安を感じるでしょう。

本記事では、歯周病の外科治療が必要になるケースや具体的な治療方法、さらに治療費用の目安について詳しく解説します。歯周病の進行を防ぎ、健康な口腔環境を維持したい方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病の外科治療とは

歯周病の外科治療について説明するイメージ

歯周病の外科治療とは、手術を中心とした治療です。歯周基本治療である歯石や歯垢の除去、噛み合わせの調整などを行っても改善が見込まれない進行した歯周病に対して実施されます。

外科治療を行うことで、歯周病のさらなる進行を防ぐとともに、つらい症状の緩和を目指します。適切なタイミングで外科治療を行えば、歯を喪失するリスクも抑えられるでしょう。

歯周病の外科治療が必要となるケース

悪化した歯周病で炎症し出血しているイメージ

歯周病の外科治療が必要となるケースは、以下のとおりです。

  • 歯周ポケットが6mm以上ある場合
  • 骨の吸収が進んでいる場合
  • 重度の炎症や腫れが続く場合
  • 歯根が露出している場合

それぞれ詳しく解説します。

歯周ポケットが6mm以上ある場合

歯周病が進行し、歯周ポケットが6mm以上になると、外科治療が必要と判断されることが多いです。歯周病が重度の状態にまで進行すると歯周ポケットが深くなり、歯周ポケット内に溜まった歯石や歯垢、歯周病菌を基本治療で完全に除去することが難しくなります。

外科的手術によって歯周ポケット内を清掃し、病変部を取り除かなくてはなりません。

骨の吸収が進んでいる場合

歯を支える顎の骨の吸収が進むと、外科治療が必要になります。

歯周病が進行し歯周病菌が骨まで達すると、骨が吸収されて歯を支えるのが難しくなります。骨の吸収が進むと歯茎が歯根に向かって下がり、歯が長くなったように見えることがあります。支えがなくなった歯はグラつき、最終的には抜けることもあるのです。

外科治療によって歯周組織を再生し、歯周病の進行を防ぐことで、歯を失うリスクを軽減できるでしょう。

重度の炎症や腫れが続く場合

歯周病による炎症や腫れが続く場合、歯肉を切開して原因となる感染部分を除去する必要があります。外科手術によって原因を取り除くことができれば、炎症や腫れを抑えることができるでしょう。

歯根が露出している場合

歯周病が進行し、歯根が露出している場合にも、外科治療が必要となる可能性があります。歯根部分はエナメル質で保護されていないため、虫歯や知覚過敏になりやすいです。

一度下がった歯茎が自然に元通りになることはありませんが、外科治療を行うことで、歯茎の高さや厚みを回復させることが可能です。

歯周病の外科治療のメリットとデメリット

歯周病の外科治療のメリットとデメリットのイメージ

歯周病の外科治療には、メリットとデメリットがあります。それぞれを十分に理解し、歯科医師のアドバイスを受けながら、外科治療を行うか否かを決定しましょう。

歯周病の外科治療のメリット

歯周病の外科治療には、以下のメリットがあります。

  • 進行を抑えることができる
  • 失われた組織を再生できる
  • 痛みや不快感を軽減できる
  • 見た目が改善される

外科治療を行うことで、基本治療では届かない部分の汚れや細菌を除去できます。自然に回復することが難しい、失われた歯槽骨や歯肉の再生も可能です。

また、感染した組織を除去することで炎症や腫れを軽減し、痛みや不快感を和らげる効果もあります。下がった歯肉を元の状態に近づけることで、見た目の改善も期待できるでしょう。

歯周病の外科治療のデメリット

歯周病の外科治療には、以下のデメリットがあります。

  • 痛みや不快感を伴う場合がある
  • 費用がかかる
  • 持病がある方は合併症のリスクがある
  • 期待した結果が得られない場合がある

手術後には、痛みや不快感が生じる場合があります。数日から1週間にわたって続く場合もあるでしょう。回復期間中は、特別なケアが必要になったり制限が設けられたりする場合もあります。

持病がある方は、持病の悪化や合併症につながる可能性があることから、治療を受けられない場合もあります。

また、外科治療は一般的な歯科治療に比べて費用がかかる場合があります。治療を受ける前に、保険適用の範囲や具体的な費用について確認しましょう。

歯周病の外科治療の方法

歯周病の外科治療のイメージ

歯周病の主な外科治療の方法は、以下のとおりです。

  • フラップ手術
  • 歯周組織再生療法
  • 歯周形成手術

それぞれ詳しく解説します。

フラップ手術

フラップ手術は、歯周病治療の一環として行われる手術です。歯周ポケットの深くにある歯垢や歯石を除去することで、歯周病の進行を防ぎます。この手術では、歯肉を切開して患部を直接目視しながら治療を進めます。手術後は縫合し、約1週間後に抜糸を行います。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯周組織(骨や歯肉など)を再生させる治療です。

具体的には、人工の膜を使用するGTR法(組織再生誘導法)や、エムドゲインと呼ばれるたんぱく質を用いた方法、細胞の活性化を促すリグロスを塗布する方法などがあります。失われた歯周組織を再生させることで歯の安定性が回復し、歯の健康を長く保てるでしょう。

歯周形成手術

歯周形成手術は、歯周病などによって下がった歯茎を再建し、露出した歯根を覆うための手術です。審美性の改善や歯根部の保護を目的として行われます。

手術方法としては、上顎から歯茎を切り取って移植する方法や、上顎の内部から組織だけを採取して移植する方法などがあります。歯茎が再建されることで見た目が向上するだけでなく、露出した歯根が保護されたことで知覚過敏の症状が軽減されるでしょう。

歯周病の外科治療の費用

歯周病の外科治療の費用のイメージ

歯周病の外科治療にかかる費用は、保険診療と自費診療で大きく異なります。それぞれの費用の目安をご紹介しますので、治療を受ける際の参考にしてください。

保険診療の場合

保険診療の外科治療の費用の目安は、以下のとおりです。なお、いずれも3割負担の場合の費用です。

  • フラップ手術:2,000円程度
  • 歯周組織再生療法:6,000円〜1万円程度

健康保険に加入している方は、保険適用の治療を一部負担で受けられます。

しかし、保険適用の治療は基本的な治療や一部の外科手術に限られています。歯周形成手術は保険が適用されません。保険が適用される治療であれば費用を安く抑えられますが、一定の基準や制約により最新の治療や特殊な治療が受けられない場合があります。

自費診療の場合

自費診療の外科治療の費用の目安は、以下の通りです。自費診療の場合は、歯科医院が独自に治療費を設定するため、実際の費用は異なる場合があります。詳しくは治療を受ける歯科医院で確認しましょう。

  • フラップ手術:1万〜10万円程度
  • 歯周組織再生療法:5万〜15万円程度
  • 歯周形成手術:5万円〜

自費診療は、保険診療に比べて費用が高めですが、保険診療と比べて質の高い治療が受けられます。最新の機器を使用できるほか、先進的な薬剤を使用できるため、治療効果も高まります。治療による痛みが軽減される場合もあるため、身体的な負担も少ないでしょう。

また、保険診療では、規定により治療を複数回に分ける必要がありますが、自費診療なら一度に治療を行えるため、短期間で治療を終わらせられます。この点は、時間的な余裕が少ない方にとって大きなメリットといえるでしょう。

自費診療はスピーディーで高品質な治療を求める方にとって理想的な選択肢です。自身の健康と快適さを最優先にしたい場合は、自費診療を検討するのも良いでしょう。

まとめ

歯周病の外科治療が終わって笑顔の男女

歯周病が進行すると、外科治療が必要となる場合があります。適切なタイミングで外科治療を受ければ、口内環境の改善が期待できるでしょう。

しかし、外科治療を受けたからといって、必ずしも期待した結果が得られるわけではありません。術後の痛みや不快感に悩むこともあるでしょう。そのため、歯科医師とよく相談し、無理のない治療を選ぶことが大切です。

歯周病治療には、保険診療と自費診療があります。自費診療は費用がかかるものの、長期的に見て歯の健康を保つことができます。治療内容と治療費のバランスを考慮し、ご自身に合った治療法を選択しましょう。

歯周病にお悩みの方は、仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、患者さんが生涯にわたってお口の健康を維持できるようサポートすることを目指して治療を行っています。虫歯・歯周病治療や矯正治療をはじめ、入れ歯治療やインプラント治療にも力を入れています。

当院のホームページはこちらネット予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。