インプラントの耐用年数(寿命)は?左右する要因と長持ちさせる方法
こんにちは。仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」です。
インプラントの耐用年数はどれくらいなのか疑問をおもちの方がいるのではないでしょうか。インプラントの耐用年数は長いといわれていますが、お口の中の状態やケア方法が悪ければ、短い期間で寿命を迎えることがあるので注意が必要です。
この記事では、インプラントの平均的な耐用年数や寿命を左右する要因について解説します。インプラントを長持ちさせるための方法についても言及していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インプラントの耐用年数(寿命)
インプラントの耐用年数は、10〜15年程度です。入れ歯は約2〜5年、ブリッジは約5〜8年といわれているため、インプラントの耐用年数が長いことがわかっていただけるのではないでしょうか。
そもそもインプラントとは、土台となるインプラント体を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着して歯の機能を回復させる治療法です。インプラント体が顎の骨に結合されるため、自分の歯のようにしっかり噛めるようになります。
また、人工歯に使用されるセラミックは耐久性が高い素材のため、インプラントの耐用年数は長いのです。定期的なメンテナンスを怠らなければ、15年以上長持ちしたという方もおられます。他の治療法よりも耐用年数が長いことは、インプラントの大きなメリットといえます。
インプラントの耐用年数を左右する要因
インプラントのケアが不十分であれば、入れ歯やブリッジよりも早い時期に寿命を迎えることがあるので注意が必要です。ここでは、インプラントの耐用年数を左右する要因について解説します。
インプラント周囲炎
インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎というインプラント特有の歯周病を発症することがあります。
インプラント周囲炎の原因は、インプラントの周りに溜まった汚れです。磨き残しにより歯茎が炎症を起こすと、歯茎の腫れや出血、骨の吸収を招きます。初期のインプラント周囲炎であれば、お口の中を清潔に保つことで症状の改善が見込めます。
しかし、初期のインプラント周囲炎は症状がないのが特徴です。そのため、気付いたときには重症化していたということも珍しくありません。インプラントがぐらつき、最悪の場合は抜け落ちることもあります。
メンテナンス不足
インプラントの治療が終わっても、定期的なメンテナンスは欠かせません。
なぜなら、インプラント周囲炎などのトラブルを予防するためには、歯科医院で定期的にクリーニングを受ける必要があるためです。また、インプラントの状態を定期的に確認することで、長く使用できます。
しかし、定期的にメンテナンスに通っていなければ、インプラントにトラブルが起こり、寿命を縮めることがあるので注意が必要です。
噛み合わせの悪化
噛み合わせが悪いことで、インプラントの寿命が短くなることもあります。
例えば、インプラントの噛み合わせが高い場合、人工歯に過度な負荷がかかり、欠けたり割れたりすることがあります。また、インプラント体に負荷がかかると、インプラント体と顎の骨との間に隙間ができて、インプラントのぐらつきや抜け落ちにつながることもあるのです。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりもインプラントの耐用年数に影響を及ぼす要因です。天然歯の周りには、噛む力を分散させるクッションのような役割をもつ歯根膜があります。
しかし、インプラントは人工物のため、歯根膜がありません。これにより、歯ぎしり・食いしばりの過大な負担がインプラントにかかり、寿命を縮めることがあるのです。
喫煙
インプラントの耐用年数は、生活習慣にも左右されます。タバコを吸う方は、喫煙習慣のない方よりもインプラントの耐用年数が短い傾向にあるといわれています。
なぜなら、タバコに含まれる有害物質により、免疫力が低下し、インプラント周囲炎を引き起こすリスクが高まるためです。
インプラントの耐用年数を延ばす方法
ここでは、インプラントの耐用年数を延ばす方法について解説します。
定期的にメンテナンスを受ける
定期的なメンテナンスでは、専用の機械を使って、お口の中にある汚れを徹底的に取り除きます。これにより、インプラント周囲炎を予防することができます。
また、メンテナンスでは、噛み合わせに問題はないか、虫歯・歯周病になっていないか、インプラント周りに不具合はないかのチェックも行います。全体的にお口の中に問題がないか確認することで、インプラントだけでなく残っている歯を守ることにもつながります。
そのため、何も症状がない場合でも、約3〜6ヵ月に1回はメンテナンスを受けましょう。
日々のケアを徹底する
インプラントの耐用年数を長くするためには、メンテナンスだけでなく歯磨きによるケアも大切です。毎日の歯磨きで磨き残しがなくなれば、インプラント周囲炎にかかりにくくなります。
インプラントの周りには汚れが溜まりやすいといわれています。細かい部分に付着した汚れを除去するためには、毛先の細い歯ブラシを使用して、丁寧にブラッシングすることが大切です。歯間ブラシやフロスを使用するのもよいでしょう。
禁煙する
先述したように、喫煙はインプラントの耐用年数に影響を及ぼします。そのため、禁煙することが推奨されます。禁煙することで、口内だけでなく、全身の健康を守ることにもつながります。
歯ぎしり・食いしばりを予防する
歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合は、ナイトガードという専用のマウスピースを使用しましょう。ナイトガードを使用することで、インプラントにかかる力を分散させることができ、破損を防げます。
しかし、歯ぎしり・食いしばりは就寝中に行うことが多く、ご自身で気付かないことも少なくありません。そのため、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は、一度歯科医師に相談しましょう。
噛み合わせを調整する
日々の食事による歯の擦り減りや加齢、歯周病などが原因で、徐々に噛み合わせは変化していきます。そのため、定期的に噛み合わせを確認し、必要があれば調整してもらいましょう。
噛み合わせを調整してもらうことで、インプラントにかかる圧を軽減できます。また、ほかの歯を守ることにもつながるため、定期的な噛み合わせの調整は欠かせません。
寿命を迎えたインプラントをそのまま使うリスク
ここでは、寿命を迎えたインプラントをそのまま使うリスクについて解説します。
痛みが出る
インプラント体と顎の骨の結合が弱くなっている場合、そのまま食事をすると痛みがでることがあります。日常生活に支障をきたすこともあるので注意が必要です。
噛み合わせが悪化する
寿命を迎えたインプラントを使い続けると、全体の噛み合わせが悪化することがあります。これにより、顎関節症を発症したり、周りの歯に悪影響を及ぼしたりすることもあるので注意が必要です。
インプラントが脱落する
インプラントがぐらつくまま放置していると、顎の骨との結合が弱くなり、最終的にはインプラントが抜け落ちることがあります。そのため、インプラントに不具合を感じたら、すぐに歯科医院を受診することが大切です。
周りの歯に悪影響を与える
インプラント周囲炎が原因でインプラントが寿命を迎えた場合、周りの歯にも悪影響を与えることがあります。インプラントと隣接する歯も歯周病になるリスクが高まるのです。そのため、日々のケアとメンテナンスを徹底し、お口の中を清潔に保つことが大切です。
再治療ができなくなる
インプラントの不具合を長期にわたって放置していると、再治療ができなくなることがあります。インプラントのぐらつきを放置していると、顎の損傷につながり、骨吸収がすすむことがあるからです。
また、インプラント周囲炎が重症化すると、骨が著しく吸収され、インプラントを支えられるほどの骨量を確保できないことがあります。骨の量によっては再治療ができず、インプラント以外の治療法を選択せざるを得ない可能性があるので注意が必要です。
インプラントが寿命を迎えたときの対処法
インプラントが寿命を迎えた場合、まずは歯科医師に相談しましょう。インプラントは大きく分けて、歯の部分の人工歯と歯根の部分のインプラント体の2つに分けられます。どちらが寿命を迎えたかによって対処法が異なります。
また、インプラント治療には保証を設けるのが一般的です。保証期間内であれば、無料もしくは安価で再治療が受けられますのでご安心ください。
ただし、保証期間や内容、条件は歯科医院によって異なります。インプラント治療のトラブルを防ぐためにも、事前に保証について確認しておきましょう。
人工歯だけが寿命を迎えた場合
インプラント体には問題がなく、人工歯だけが寿命を迎えた場合は、人工歯の作り直しのみで対応できます。古い人工歯を外し、新たに型取りをして人工歯を作り直します。一般的には1~3回の通院で治療が完了するケースが多いため、患者様にかかる負担は少ないでしょう。
インプラント体が寿命を迎えた場合
インプラントがぐらつく、抜け落ちたなどで寿命を迎えた場合でも、再治療できるケースもあります。
ただし、インプラントを抜去し、再度インプラント体を埋め込む手術を行います。インプラント体と顎の骨が結合する期間、人工歯を作る期間が必要になるため、治療は数ヶ月かかるのが一般的です。
定期的なメンテナンスを怠ったことが原因でインプラントが寿命を迎えた場合は保証の対象とならず、有償になることが多いです。再治療を受ける前に、費用や期間については確認しましょう。
まとめ
インプラントの耐用年数は、約10〜15年です。お口のケアを徹底していれば、15年以上持つこともあるでしょう。
ただし、お口の状態や生活習慣によっては、10年以下で寿命を迎えることもあります。
長きにわたって快適にインプラントを使い続けるためには、日々のケアとメンテナンスを徹底することが大切です。インプラント治療やケア方法について詳しく知りたい場合は、歯科医院で相談してください。
インプラント治療を検討されている方は、仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者さんが生涯にわたってお口の健康を維持できるようサポートすることを目指して治療を行っています。虫歯・歯周病治療や矯正治療をはじめ、入れ歯治療やインプラント治療にも力を入れています。